今後 巨大なデジタルワールドを体験するにあたり、
- VRヘッドセット
- ARグラス
これらは重要なデバイスとなります。
現在どのぐらいの技術が進み、今後どうなっていくのを考えてみましょう。
VR・ARとは?
VR

VRとはバーチャルリアリティ(仮想現実)です。
現実のように見える情景や物体のある環境のことで、ユーザーはその環境に入り込んでいるような感覚になります。
仮想現実は VRヘッドセットと呼ばれる装置を通して知覚されます。
VRを使えば、まるで自分が登場人物の一人になったかのようにゲームに没頭したり、手術の方法を勉強したり、スポーツトレーニングの質を高めてパフォーマンスを最大限に高めたりすることができます。
AR
一方、ARは拡張現実のことです。
現実世界に仮想世界を重ねて表示させることができます。
スマホを使って現実の世界にポケモンが現れたような感覚が味わえる「ポケモンGO」が有名です。
この体験を、メガネを使ってより身近にしようというのがARグラスです。
VRヘッドセットとARグラス|「今」と「今後」
それではVRヘッドセットと ARグラスがどのくらい進歩しているのか、今後どうなるのかを製品と一緒にみていきましょう。
ソニー

ソニーの VRヘッドセットは、家庭用 VRと VRゲームを進化させる可能性を秘めています。

ソニーは、2022年中に登場すると予想される PlayStation 5対応のVRヘッドセット「PlayStation®VR 2」(以下:PSVR 2)と、多くのスペックを明らかにしました。
ディスプレイ: OLED(有機ELディスプレイ)
解像度: 2000 x 2040
リフレッシュ・レート: 90Hz、120Hz
レンズセパレーション: 調整可能
視野角: 110度前後
センサー: Six-axisモーション
カメラ: 4カメラ、 1 IRカメラ
機能: バイブレーション
接続: USB Type-C
オーディオ: マイク、ヘッドフォン端子
PSVR 2を使うには PS5が必要です。
ですが PS5の価格や品薄の状況から考えると、体験できる人数は限られてきます。
現段階でPSVR 2の価格は決まっていません。
既存の VRヘッドセットの価格からすると、少なくとも PS5本体と同じくらいの値段になると考えられます。

初代 PSVRは 2016年に 4万4980円(税別)で発売されました。
PSVR 2は Oculus Quest 2のようなスタンドアローン(他の機器に接続せず、単独で動作すること)のデバイスではありませんが、家庭用 VRにいくつかの進歩をもたらすでしょう。
アイトラッキングを搭載し「フォービエイテッド・レンダリング」という技術を使って VRグラフィックの質を高め、もしかしたらゲーム内で目を使った操作ができるようになるかもしれません。
アイトラッキングとは:眼球の動きを追跡し分析すること
フォービエイテッド・レンダリングとは:中心視野を高解像度にし、周辺領域の画像解像度を下げることで人間の視界に近い映像描写を可能にする方法(参考:北海道大学大学院情報科学研究科メディアネットワーク専攻メディア創生学研究室、ASCII)
このヘッドセットと、すでに高い評価を得ている「DualSense」を採用したコントローラーにより、さらにリアルな仮想感覚が得られるでしょう。
これらのハードウェアに加え、近々リリースされる「Unreal Engine 5」などゲーム関連のパートナーシップを活用して、画期的な VRゲームの波を巻き起こす可能性があります。
マイクロソフトとクアルコム

マイクロソフトと ARグラス用クアルコム・チップとの提携は、モバイルに変化の波が来ることを暗示しています。
マイクロソフトは何年も前から VRと ARに取り組んでいます。
2019年に発売されたヘッドセット「HoloLens 2」は 383,800円(税別)と高価で、ビジネス特化された異端児的デバイスでした。
クアルコムとの提携は ウィンドウズ・デバイスだけでなく、スマホでも動作する小型のメガネを開発するようです。

・マイクロソフトのプラットフォーム連携機能(ハードの垣根を越えてゲームなどのコンテンツを楽しむこと)の試み
・クアルコムのアンドロイドスマホで動くARグラス開発
双方によるアイデアの橋渡しとなります。
スマホには ARグラスと連動するスマート・ソフトウェアがまだありません。
この提携はとても興味深いことです。
アップル

アップルはスマホ用の ARソフトウェアとツールを持っており、2022年後半には VR/ARヘッドセットを公開する予定です。
しかし iOSもまだ ARグラスとうまく連動させることができていません。
グーグル

グーグルはかつて VRハードウェアを製造し「グーグル・グラス」でスマートグラスの先駆者となりました。
グーグルのアンドロイドは、すでに多くの ARやスマートグラスのアクセサリーを開発しています。
ですが ARグラスに関する製品を公式に開発していません。
ARの問題

ARグラスはまだいくつかの問題を抱えています。
- バッテリーの寿命が限られている
- 入力が難しい(ハンドトラッキング未完成など)
- 日常的なメガネと比較して光学系の制限がある
最も重要なことは、ほとんどのスマホが ARグラスと連携できないことです。
グーグルやアップルが将来的に OSを変更し、ARグラスと上手く付き合っていくかはまだ誰にもわかりません。