仮想通貨(暗号資産)投資はすっかり定番になりました。
ただし、不動産や株とは違います。
現状の相続・贈与に関する税金をご説明します。
一般的な仮想通貨の税金ガイドはこちら
仮想通貨の相続・贈与税|
誰が払う?

仮想通貨の相続税・贈与税はいったい誰が払う?あげた人?もらった人?
相続の場合
A. 相続人
相続人:相続によって財産を受け取る人
贈与の場合
A. 受贈者
受贈者:贈与を受け取る人
仮想通貨の相続・贈与税|
いつ払う?

どのタイミングで税金を払うのでしょうか?
相続税
A. 被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10ヶ月以内。
被相続人:財産を遺して亡くなった方
贈与税
A. 贈与を受けた翌年の2月1日から3月15日まで。
仮想通貨の相続・贈与税|
どうやって払う?

税金はどうやって払うのでしょうか?
相続税の場合
A. 申告書の提出後、納付。
くわしく
▼相続税の申告書の提出先
被相続人が住んでいた住所の管轄税務署に提出します。
※財産を受け取る人が住所の管轄税務署ではありません。
▼相続税の納税方法
相続税の納付は原則として現金一括納付です。
・税務所
・金融機関
・郵便局
※クレジット決済も可能ですが、金額制限や数料がかかります。
詳しくは国税庁ウェブサイトをご確認ください。
贈与税の場合
A. 申告書の提出後、納付。
くわしく
▼贈与税の申告書の提出先
受贈人の住所地の管轄税務署に申告します。
・税務署窓口
・郵便や信書便による送付
・e-Taxを利用して提出(送信)
▼贈与税の納税方法
・金融機関、税務署窓口で現金納付
・e-Tax(口座振替、インターネットバンキング)
・クレジットカード
・コンビニ納付
仮想通貨の相続・贈与税|
いくら払う?

実際にどのくらいの税金がかかるのでしょうか?
まず気になるのは、どのタイミングで仮想通貨の価値が決まるのかというところから見てみましょう。
仮想通貨の
評価方法
活発な市場が存在する暗号資産は、相続人等の納税義務者が取引を行っている暗号資産交換業者が公表する課税時期における取引価格によって評価します。(出典:国税庁)
相続:被相続人が死亡した時点
贈与:贈与された時点
くわしく
相続・贈与を申告する際の金額がこれに値します。
相続税の
納税額計算方法
相続税の基本
相続した財産価額合計が基礎控除額を超える場合、その超える金額に対して課税される。
計算の流れ
1. 遺産総額を計算
2. 課税遺産総額を計算
3. 相続税を計算
1.遺産総額を計算
遺産額 + 過去贈与 – 控除額
▼過去にもらった贈与
・相続開始前3年以内の贈与財産
▼控除できるもの
・被相続人の債務
・葬式費用 など
2.課税遺産総額を計算
遺産総額 – 基礎控除
▼基礎控除
3,000万 + (600万 × 法定相続人数)
3.相続税を計算
課税遺産総額 × 税率 – 控除額
【相続税の税率と控除額】
取得金額 | 税率 | 控除額 |
1000万円以下 | 10% | − |
3000万円以下 | 15% | 50万円 |
5000万円以下 | 20% | 200万円 |
1億円以下 | 30% | 700万円 |
2億円以下 | 40% | 1700万円 |
3億円以下 | 45% | 2700万円 |
6億円以下 | 50% | 4200万円 |
6億円超 | 55% | 7200万円 |
注目!
実際はもっと複雑な計算…
遺産は複数人で分けることがほとんどだと思います。
ここでは大まかな流れを説明しましたが、実際には分ける人のそれぞれ取得する割合を計算する必要があり、もっと複雑です。
贈与税2つの
課税方法
贈与税の基本
2種類の課税方法が選択でき、どちらも贈与額から各種控除を差し引いた金額に対して課税される。
1. 暦年課税
2. 相続時精算課税
くわしく
メジャーな暦年課税と複雑な相続時精算課税
贈与税=110万円以内なら被課税!というイメージがある方も多いと思いますが、それがまさに暦年課税です。
対して相続時精算課税を平たく言えば、2,500万円まで贈与税を納めずに贈与を受け、贈与者(贈与をする人)が亡くなった時に一括して相続税として納税する制度のことです。すでに複雑ですが、どの課税方法にもメリット・デメリットそれぞれありますので正しい選択が必要です。
(相続時精算課税のメリット・デメリットはこちら)
暦年課税の
納税額計算方法
暦年課税での計算方法をご紹介します。
計算の流れ
1. 一年間の贈与額を合算
2. 基礎控除を差し引く
3. 贈与税を計算
1. 一年間の贈与額を合算
受贈者が1月1日から12月31日までの1年間、贈与でもらった財産の金額を合算する
2. 課税価格を計算
贈与額合計 – 基礎控除額
合算した贈与額から基礎控除額110万円を差し引く
3. 贈与税を計算
課税価格 × 税率 – 控除額
【一般贈与財産用の税率】
基礎控除後の 課税価格 | 税率 | 控除額 |
200万円以下 | 10% | − |
300万円以下 | 15% | 10万円 |
400万円以下 | 20% | 25万円 |
600万円以下 | 30% | 65万円 |
1000万円以下 | 40% | 125万円 |
1500万円以下 | 45% | 175万円 |
3000万円以下 | 50% | 250万円 |
3000万円超 | 55% | 400万円 |
【特例贈与財産用の税率】
基礎控除後の 課税価格 | 税率 | 控除額 |
200万円以下 | 10% | − |
400万円以下 | 15% | 10万円 |
600万円以下 | 20% | 30万円 |
1000万円以下 | 30% | 90万円 |
1500万円以下 | 40% | 190万円 |
3000万円以下 | 45% | 265万円 |
4500万円以下 | 50% | 415万円 |
4500万円超 | 55% | 640万円 |
贈与者と受贈者の関係で変わる2種類の税率
▼一般贈与財産
・兄弟間の贈与
・夫婦間の贈与
・親から未成年の子への贈与など
▼特例贈与財産
直系尊属(祖父母や父母など)からその年の1月1日において20歳以上の子・孫などへの贈与
ポイント
受贈者の年間取得贈与額が110万円以内なら被課税です!
かしこく計画的に贈与をするのも節税のひとつです。
仮想通貨の相続・贈与税|
注意点

相続に
備えておくこと
管理状況の把握
・相続人に相続資産を把握させる
亡くなった人が仮想通貨を所有していたなんて知らなかった!なんてよく聞きます。
いざという時、残された人が困らないよう、どこに・何が・どのようにあるのかまとめておきましょう。
・使用している取引所
・ウォレットのパスワード
・所有通貨 など
手続きの確認
・使用している取引所の相続手続きを確認しておく
仮想通貨取引所によって、相続手続きが違うようです。(2021年現在)
相続手続きは後から説明します。
贈与に
備えておくこと
贈与制度の把握
・贈与相手、金額、税率を確認しておく
前述したとおり、贈与にもその相手や金額によって様々な控除・課税方法があります。
計画的に贈与をしなければ、受贈者つまりもらった人に多額の税金が発生することになります。
仮想通貨の相続・贈与税|
取引所の対応

相続手続きは取引所によって対応が変わることがあります。
相続手続きの
パターン
パターン①
・取引所に承継を申告
・亡くなった日のレートで日本円に換金
・相続人の口座に振り込まれる
パターン②
・相続人が取引所に承継を申告
・申告時のレートで日本円に換金
・相続人の口座に振り込み
注目!
その価値を評価する「日」は非常に大切です。
仮想通貨は短い期間でも価格が大きく変動するので注意が必要です。
コインチェックの
手続き例
相続手続きの流れ
- 問い合わせフォームから相続を連絡
- コインチェックへ必要書類を郵送
- 書類確認後、コインチェックから書類(残高証明書等)が届く
- コインチェックへ再度必要書類を郵送
- 書類確認後、代表相続人へ相続金額が振込され、被相続人の口座は解約される
注目!
2021年現在では、仮想通貨の相続手続きが統一されていません。
今後、相続も視野に入れている方は、ご使用の取引所の手続方法を確認してみましょう。
また、今後仮想通貨取引を始める方も、取引所ごとに相続手続きの方法を知っておくと安心ですね。
コインチェック取引所は取引以外の知識や見解などわかりやすく説明しています。取引を始めたい方にはおすすめの取引所です。
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